「懐かしい!」って思った方はどれくらいいらしたでしょうか。見た目はドングリみたいな今時期しかない木の実です。味と食感は栗に似ている気がします。最初強火で煎って、あとは弱火で10分以上カラカラ煎ります。和風ピスタチオみたいな感じです。ビールにもよく合うよ。
「木の芽味噌」は春に採った柔らかい木の芽を味噌と砂糖を合わせ、すり鉢でよく擂っておくと、冷凍庫で1年近く保存できます。壱岐の昔ながらの保存食品。これでいつでも春の風味を味わえるのです。使う時は酒やミリン等お好みで伸ばします。今回はアゴ出汁で伸ばして厚揚げに和えました。「アゴ出汁」は長崎ではハレの日によく使われる飛び魚出汁です。上品でコクがあり、鰹や昆布とはまた違った味わいのある出汁です。
これぞまさに壱岐の伝統的&家庭的な郷土料理です。東京でいう「白和え」です。んが、ひと味も二味も違います。壱州豆腐をすり鉢でよぉ〜っく擦りに擦り、味噌と薄口醤油、隠し味にゆべし(柚味噌)、擦りゴマを入れます。これが和え衣。具は…壱岐ならではの「イカ」を入れると好まれます。塩湯にまず最初にイカを入れ、その湯でお好みの野菜を茹でていきます。具の水気を切って、手で野菜が和え衣に馴染むように混ぜたものが「およごし」です。とてもクリミィな舌触りの和え衣になります。とはいえ、「およごし」は各家庭の味なのでコレ!って決まりはないですよ!野菜も余り物で良かとです。
「おなます」は東京でいう酢の物です。大根と人参、鰺を使うのが壱岐では一般的です。また冬になるとカチカチになるまで干した干柿を細かく刻んでこのおなますに入れると上品になります。ちなみにハレの日や日常に食べる「おなます」ですが、法事等では精進料理として魚は使わず厚揚げなどを入れたりして「お酢和え」と呼び方が変わります。野菜の切り方も「おなます」では短冊切り、「お酢和え」だと細切りに変えます。
「美味しんぼ」10巻にて紹介されている【アラ】という幻の鮮魚です。【アラ】とは、ハタの仲間で博多ではふぐちりよりも美味しいといわれます。壱岐の漁師さんもこの魚を捕れたら、セリに出さずに自分で食べた方が良いのでは…と躊躇してしまうほど稀少な魚です。今回は壱岐の橙酢でしゃぶしゃぶして召し上がっていただきました。
平山旅館業も忙しい女将ですが、今は無農薬野菜作りに夢中です。無農薬野菜ってどうしてこうえぐみが無く、力強く、甘いのでしょうか。まさに大地の恵みですね。本日の野菜はすべて女将の畑で採れたお野菜です。若女将のサッチャンは風邪を引くと女将の畑に行って野菜を土ごと食べるのが治療法だとか!